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営農情報

夏期の高温等に対応した農作物管理

広報誌「さいたま」2021年6月 No.255より

 本年は、10年に一度の気象平年値の更新の年に当たります。新平年値では熊谷地方気象台の平均気温の平年値が6月は0.6℃、7月は0.7℃、8月は0.3℃それぞれ高くなり、地球温暖化による昇温傾向が反映されています。ここでは、高温等に対応した農作物の管理について紹介します。

水稲の高温障害対策について

水稲は、出穂後に高温に遭遇すると、(1)白未熟粒、(2)胴割粒、(3)くさび米や褐色米(ヤケ米)等が発生し、玄米品質が大きく低下します。これら高温障害の対策には、生育後半までイネの活力を維持することが重要です。ケイ酸には根の活力を維持する効果があります。作付け前にケイ酸を施用していない水田では、出穂前45~35日頃、ケイ酸カリ等を施用すると水分や肥料分の吸収が向上し、白未熟粒等の発生軽減が期待できます。また、生育後半に窒素不足にならないよう品種に応じた適正な穂肥を施用しましょう。中干し以降の水管理は、出穂期前後1週間は深水管理とし、その後は間断かん水を行い、根の活力維持に努めます。なお、早期落水は登熟を阻害し、品質低下を招くため、落水時期は出穂後30日を目安にしてください。一方で、高温条件では成熟期が早まるため、通常より2~3日早めの収穫を心がけてください。

猛暑期に備えた夏秋野菜の高温・湿害対策について

 近年、温暖化傾向を反映して日最高気温が35℃以上となる猛暑日の日数が7月~8月に増加しています。この時期を経過する多くの野菜に湿害による作柄不良の被害が目立っています。これは、この間の異常な高温にゲリラ豪雨や台風襲来に伴う大雨が加わって生じたもので、土壌の過湿と高温に伴って土壌中の酸素濃度が薄くなって酸欠状態に陥り、根の吸水・吸肥機能が低下したり、根腐れや土壌病害の感染を受けて発生した障害です。野菜が栽培される畑の土壌中の酸素濃度は通常20%程度ですが、降雨によって畑に長時間滞水する状態になると10%以下に低下することでこのような障害が発生すると言われています。

 このような影響を軽減して野菜の作柄を安定化するため、今夏は次の対策に取り組んでください。

(1)耐湿性の低い野菜の作付には注意 : 夏秋野菜の内、ホウレンソウ・コマツナ・サツマイモ・ニンジン・ダイコン・キャベツ・ブロッコリー・ネギ等は耐湿性が低く、数時間~1日間程度湛水状態になると大きな障害が発生します。そのため、これらの作目は高温多雨となる時期の作付を避けて栽培するか高うねにするなど徹底した排水対策等を行いましょう。

(2)圃場の滞水・排水状態を確認 : 日頃から降雨時に圃場内の雨水の滞水状態を観察して、滞水しやすい場所を確認しておくとともにその原因を究明しておきましょう。原因の一つとして、大型農機等の踏圧による耕盤(圧密層)形成や堆肥等の有機物施用の不足による水の浸透不良が目立っているので、作付前に心土破砕等の改善策を講じておきましょう。

(3)適期に適正な管理作業で被害を軽減 : 高温期となる7月~9月に作付する野菜では、急変しやすい気象変動を念頭に圃場の排水条件の有無に関わらず適期管理に留意してください。特に、ニンジン等の播種やキャベツ等の定植は適期を逃した場合、収穫時期や収量・品質に影響します。栽培期間中に行う中耕作業は、土壌中の酸素濃度を高めて根の活性を良好にして湿害を軽減・回避する効果があります(高温・過湿時には避けてください)。湿害を生じやすいネギ等では、定植時や土寄せ時に株元付近に土壌中に酸素を供給する効果のある「酸素供給剤」や、土壌の透水性・通気性を高める「もみがら」を散布すると良いでしょう。


長期の滞水によって湿害が発生したネギの圃場

アライグマの農作物被害について紹介します。

広報誌「さいたま」2021年5月 No.254より

 アライグマによる農作物被害は増加傾向であり、都市近郊地域でも近年生息域が拡大しております。

(1)被害について

 アライグマは神社仏閣・住宅の屋根裏・物置・廃屋等を利用し、餌場の近くに複数のねぐらを作ります。ねぐらを転々と移動しながら収穫時の農作物に被害を与えます。

 また、アライグマは雑食性で何でも食べます。トウモロコシやぶどうはよく知られておりますが、この他に水稲の苗や稲刈り後のひこばえ、民家にある柿の収穫残しもアライグマの餌となり、農村地域・集落は格好のすみかになります。

(2)対策について

 アライグマの住みやすい環境要因をなくしましょう。特に個体数の増加を手助けしている餌を与えないことが重要です。前述した水稲の苗は無防備な状態で置かないようにしましょう。稲刈り後のひこばえについては、収穫後に早期の耕うんを実施しましょう。柿の収穫残しについては、収穫が難しいようなら柿の木の伐採も考えましょう。

 また、ほ場への侵入防止策を実施するのも効果的です。防獣ネットや電気柵等を活用し、農作物の被害を防ぎましょう。

(3)アライグマ捕獲従事者研修会について

 県ではアライグマ捕獲従事者を育成するため、アライグマ捕獲従事者研修会を開催しております。研修会では野生鳥獣の行動習性についても学ぶことができるので、野生鳥獣の理解にもつながります。

 研修会の申し込みについては、お住まいもしくは捕獲に従事する予定の各市町を通じて受け付けしておりますので、各市町へお問い合わせください。


アライグマ:しっぽが縞々、両目を覆う黒い帯がある。


電気柵の手前で立ち止まり様子をうかがっている。

【埼玉県農業技術研究センター提供】

田植え前後の管理のポイントについて

広報誌「さいたま」2021年4月 No.253より

 まもなく田植えの季節を迎えます。ここでは田植え前後の管理のポイントについてお知らせします。

ケイ酸入り土壌改良資材・肥料の施用

 ケイ酸には根の活力を維持する効果があります。ケイ酸を多く含むイネは、水分や養分吸収が旺盛となり、光合成が高く維持されるとともに葉からの蒸散が活発になることで穂温の上昇を抑え、乳白米などの高温障害の発生率を抑制することが期待されます。加えてケイ酸には病害虫抵抗性の増大や倒伏軽減などの効果があります。ケイ酸を含む土壌改良資材・肥料(ケイカル、ようりん、農力アップ、ケイ酸加里プレミア34など)を施用しましょう。

浸種・催芽時の留意点

 浸種は、水温10~15℃で行い、積算温度(水温×日数)が100~110℃を目安としましょう(水温12℃で9日間前後)。なお、令和2年産種子は、登熟期の高温の影響で休眠が深い傾向があるため、例年より十分な浸種を心がけてください。浸種後は、籾をハト胸程度(幼芽長が0.5~1mm程度)まで催芽して播種します。この際、催芽が不十分であると苗の生育がばらつき、逆に芽が伸び過ぎると播種作業で芽が傷つくので注意が必要です。


ハト胸状態の籾

病害虫防除のポイント

 苗立枯病は、数種類の異なる病原菌が原因で発生します。特に、ハウス育苗では急激な温度変化により発生が助長されるため、温度管理に注意が必要です。また、育苗箱には病原菌が残存していることがあり、使用前にイチバンやケミクロンGで必ず消毒しましょう。

 本田期の病害虫防除は、「コシヒカリ」や「キヌヒカリ」等の縞葉枯病感受性品種(抵抗性を持たず発病する品種)では本病を媒介するヒメトビウンカを防除するため、ルーチンアドスピノ箱粒剤や防人箱粒剤などウンカ類に有効な成分を含む箱施薬剤の施用が必要です。

 また、昨年は暖冬によりスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の越冬量が多く、田植え後にイネを食害された水田が多くありました。また、生息地域は年々拡大しています。本貝の生息水田では移植後2~3週間は4cm以下の浅水管理とし、貝の密度が高く食害が予想される水田では田植え後にスクミノンなどの防除薬剤を施用しましょう。


スクミリンゴガイと卵塊

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