JAさいたま広報誌2015.02 No.179より
板木技術士事務所●板木利隆
ルバーブはシベリア南部が原産のタデ科の野菜(和名:大黄)です。日本では知名度が低いものの、ギリシャ、ローマでは紀元前から医薬用として用いられたとされ、ロシア、北欧、スイス方面を旅すると、家庭菜園でもよく見られます。
草丈は50~60cm、葉幅30~35cm、葉柄の大きさが2~3cmにもなる大株の、多年生の強健野菜です。
この葉柄の部分は、肉の消化を助ける酵素が含まれ、カルシウム、カリウムも多く、豊富な繊維質は整腸、脂肪分を取り除く効果があるとされますが、魅力なのは強い酸味で、これを生かしたジャムの味は逸品です。加工も容易(後述)なので、地産地消の村おこし野菜としてもお薦めです。
ジャムの他に、マーマレードや砂糖漬け、シャーベットなどにも利用できます。葉を食べてもおいしくないので、鳥獣害を受けにくく、山間地を利用して栽培されている所もあるようです。
育て方は、3月下旬~4月に種まき、苗作りして畑に植え出す方法と、すでに栽培されている根株を3月ごろ株分けして植え付ける方法とがあります。苗は市販されていることはあまりなく、ネット通販で探すのが手っ取り早いでしょう。
強健な多年草で、一度植えておけば数年間収穫し続けられます。
冬の間は葉が枯れて休眠し、耐寒性は強く、夏の暑さにもよく耐えて育ちますが、土壌の多湿には弱いので、排水の良い畑を選びます。
あらかじめ石灰をまいて耕しておいた畑に、元肥に粗い堆肥と油かすを施し、条間120cm、株間50cmぐらいに植え付けます。その後、生育中に2~3回、若干の油かすと化成肥料を追肥し、生長を促します。
植え付けた1年目は収穫せず株を大きく育て、2年目の5月から6月にかけて、1回に2~3枚の葉を、葉柄を付けて切り取り収穫します。
7月ごろとう立ちし、白い花をにぎやかに咲かせますが、そのままにしておくと株の育ちが悪くなるので、早めに切り取ります。
ざく切りにしたルバーブの葉柄に砂糖をまぶし、しばらく置いて水分が出てきたら火にかける。煮詰まったらレモン汁を加える。砂糖は全体量の60%ぐらいを目安にしましょう。