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秋冬野菜の栽培管理について

広報誌「さいたま」2025年11月 No.308より

 11月に入り、本格的な秋冬野菜のシーズンが到来します。寒さが厳しくなる中で、収穫量を維持し美味しい野菜を作るためには、適切な栽培管理が重要です。
 11月以降の秋冬野菜栽培管理のポイントを紹介します。

1.寒さ対策

 トンネルやべたがけなど、被覆資材を活用しましょう。
 資材や野菜によっては保温による生育促進のほか、凍霜害の予防や防虫・防鳥、とう立ち抑制などの効果もあります。
 野菜の種類や生育ステージ、地域の気候に合わせて、適切な資材を選びましょう。

表1 トンネル資材と特徴

表2 べたがけ資材と特徴

2.乾燥対策

 野菜の生育には水が不可欠であり、それは冬場でも変わりません。
 長期間雨が降らず乾燥状態が続くようであれば、かん水を検討してください。
 夜間に根を冷やさないために、かん水は午前中に行いましょう。

3.病害対策

 べと病や菌核病、灰色かび病のように、冷涼な気候を好む病気もあります。
 野菜の生育が緩やかになり、雑草の勢いも弱まる季節となりますが、定期的にほ場を見回り早期発見・早期対策に努めてください。
 トンネルやべたがけをしていると中が見えにくくなるので、被覆をめくって直接中の様子を確認するようにしましょう。

小麦の栽培管理ポイント

広報誌「さいたま」2025年10月 No.307より

 令和7年産の小麦では、熊谷のアメダスデータから推定された赤かび病子のう胞子飛散好適日の積算日数が4月の1か月間に11日と過去10年間で4番目に多くなりました。茎立期から出穂期にかけて、気温が高く降水量が多かったことから、各地で湿害による生育不良が見られました。また、雨や強風の影響で倒伏の発生が散見されました。
 近年、栽培期間を通して高温や突風、豪雨などの異常気象が続き、今後の気象もどう推移するか読めない状況です。
 基本技術を励行し、気象災害に強く、収量品質の良い小麦栽培を心がけましょう。

1 は種前準備

想定外の雨にも負けない「排水対策」

 排水不良による湿害は、発芽不良など収量・品質低下の大きな要因です。は種前には弾丸暗渠で雨水の地下浸透を促すとともに、は種後はほ場の外周やほ場内に5~10m間隔で明渠を掘り、ほ場表面の排水を図ります。明渠をほ場外の排水溝に接続しないと、単なる水たまりになってしまうので注意しましょう。

乾燥対策のカギは「砕土率」

 砕土率が高い(土が細かい)と、土壌水分が均一となり出芽率が向上します。トラクタの作業速度を低速にする、逆転ロータリを使う等の方法があります。
 粘土質土壌では水分が多いときに作業すると、土を固めてしまうため、乾いてから作業します。

2 は種作業

良い麦づくりは苗立ち確保から「適期には種・適量をは種」

 種子は必ず更新して、種子消毒を行いましょう。
 「さとのそら」のは種適期は11月20日~30日です。早まきは過繁茂につながります。は種量はドリルまきで5~7kg/10aを基準にし、天候不順等によりは種作業が遅れた場合は、は種量をやや多めにして、苗立ち数を確保します。

3 肥培管理

収量・品質の確保に向けて

 「さとのそら」は、後まさり型なので追肥をしっかりと施します。基肥は窒素成分で6~7kg/10a(例:化成肥料(14-14-14)なら45~60kg/10a程度)、追肥は窒素成分で4kg/10aを基準にします。一発肥料を用いる場合、窒素成分で10~13kg/10aを基準にします。なお、地力にあわせて施肥量は調整してください。

4 麦踏

暖冬でも軟弱にならないように

 凍霜害や過繁茂を防ぐ重要な作業です。本葉が3枚以上展開したら、年内に1回、追肥までに2回を目標に行いましょう。トラクタの速度を落としてしっかりと鎮圧しましょう。
 暖冬で生育過剰の場合は、茎立ちまでの期間に追加の作業を検討しましょう。軟弱に育てると、春先の急な寒さの影響を受けやすくなります。

5 雑草防除

適期作業で草を抑えましょう

 は種後の土壌処理剤散布を基本に適期に散布します。散布前に土壌鎮圧を行うと、除草剤の効果を安定させることができます。ヤエムグラやカラスノエンドウなどの広葉雑草が発生している場合は茎葉処理剤を使用します。
 なお、前作でカラスムギが多発したほ場では、可能な範囲では種を遅らせ、それまでに発芽したカラスムギを非選択性の除草剤により枯らします。場合によっては休耕し、耕うんや非選択性除草剤でカラスムギの密度を減らすなどの対策も検討しましょう。

果樹胴枯細菌病(急性枯死症)について

広報誌「さいたま」2025年9月 No.306より

低濃度エタノールによる土壌還元消毒法について

広報誌「さいたま」2025年8月 No.305より

 最近、米ぬか等の不足により土壌還元消毒に使用する有機物の入手が困難な状況がみられます。そこで、農研機構が開発した低濃度エタノールによる土壌還元作用による土壌消毒を紹介します。やり方は、土壌1%以下に薄めた低濃度エタノール水溶液を土壌にかん水処理し、農業用透明ポリフィルムで覆って放置するだけの簡便で安全な土壌還元消毒技術です。

特長
  • ・低濃度エタノールとしてエコロジアールを液肥混入機などにより希釈して使用します。土壌を還元状態にすることで、病原菌やセンチュウ類の活動を抑制します。液体なので、フスマや糖蜜よりムラなく、土壌深くまで処理できます。
  • ・主成分がエタノールなので、環境負荷が少なく安心して利用できます。低濃度なので、エタノールによる直接的な殺菌効果はありませんが、土壌中で微生物により速やかに分解されるため、残留の心配がありません

低濃度エタノールによる土壌還元作用による土壌消毒効果が確認されている事例

処理の流れ

  • ・透明フィルムをしっかり密着させ、気密性が高まるようにしてください。
  • ・被覆期間は、14日から21日間とし、深さ20cmの地温が30℃以上になるようにしてください。
  • ・フィルム周辺を水枕で押さえると気密性が上がります。
  • ・マルチングをした土手を作ると、周辺への表面流出を防げます。・穴の開いたフィルムを使用したり、フィルムの縁辺に隙間が注意点 あったりすると、気密性が悪くなり、還元消毒効果が低下します。

参考資料
農研機構ホームページ「低濃度エタノールを利用した土壌還元作用による土壌消毒 実施マニュアル (第1.2版)」
日本アルコール産業株式会社ホームページ

令和8年度 埼玉県農業大学学生募集

広報誌「さいたま」2025年7月 No.304より

「今年も注意! イネカメムシについて」

広報誌「さいたま」2025年6月 No.303より

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