広報誌「さいたま」2024年11月 No.296より
今年の野菜づくりは夏の猛暑の影響を大きく受け、作業遅れや生育不良を招いて苦労が多いのではないでしょうか。秋から年内に収穫するニンジンやサトイモなどの根菜・芋類は、葉物野菜に比べ貯蔵性が高い特徴をもっており、春先まで販売・利用することができます。そこで、これらの野菜の品質を低下させずに省力的に貯蔵できる方法について紹介します。
秋冬期に収穫するニンジンやダイコンは生育温度が5~25℃と低温のため冬越しが比較的容易ですが、最低気温が氷点下となる厳寒期には地上部の茎葉と地表近くの根部は凍結して組織が損傷するなどして品質低下を招きます。また、秋に収穫するサトイモやサツマイモは原産地が熱帯地域のため貯蔵する芋が低温条件に置かれると腐敗して品質低下を招くほか、種芋として利用できなくなります。そのため、種類にあった最適の温度や湿度などの貯蔵条件が得られる貯蔵方法をとる必要があります。
長期間貯蔵できる主な根菜・芋類の最適貯蔵条件
出典:農研機構「野菜の最適貯蔵条件一覧表」
作目名 | ニンジン | ダイコン | サトイモ | サツマイモ |
---|---|---|---|---|
貯蔵最適温度 | 0℃ | 0~1℃ | 7~10℃ | 13~15℃ |
貯蔵最適湿度 | 98~100% | 95~100% | 85~90% | 85~90% |
貯蔵限界期間 | 3~6月 | 2~3月 | 4月 | 4~7月 |
夏まき秋冬どりのニンジンは11月中旬頃から収穫が始まりますが、播種後100日前後位から根の尻部の肥大が進んで重量が増加していきます。しかし、12月上旬頃から降霜が本格化すると地上の茎葉部や地表近くの根部が凍害を受けるようになるため、中旬までには鍬や管理機等を使用してうね間の土を5~10cm土寄せして防寒対策を講じましょう。この管理を行うことで3月初めまで圃場で貯蔵できます。
ダイコンの品種の主力となっている青首ダイコン(宮重系)は、根部の上部15cm程が地上に出ているため12月以降厳寒期には凍害によって損傷して品質が低下します。また、損傷部から黒斑細菌病や菌核病が感染発病することもあります。そのため、降霜が本格化する12月上中旬には凍結を防ぐために土寄せとあわせて不織布製の資材をベタがけすれば3~4℃位温度低下を抑えることで品質低下を防ぐことができます。なお、ベタがけの前には黒斑細菌病等の予防散布を行いましょう。
なお、冬越し後は根部肥大が進んで割れやひげ根等が発生するため注意しながら収穫してください。
サトイモは5℃以下に長期間置かれると腐敗するため、通常は6℃以上の温度と85~90%の湿度を確保しやすい穴貯蔵が広く行われています。しかし、穴貯蔵は穴掘りや掘取った芋の運搬・搬入などの作業で多労を要します。そこで、圃場全体の芋を掘取らずに1うね毎に掘取って収納・出荷し、残ったうねに厚めに土寄せを行えば春先まで圃場で芋を貯蔵することが可能です(写真)。この貯蔵方法は、作業負担を軽減できるため特に作付規模の多い方にお薦めします。なお、貯蔵した芋を販売や種芋として利用するためには、萌芽が進み過ぎないよう3月上旬には掘取るように注意してください。
サツマイモでは収穫後の芋内部のデンプンが11℃前後の低温でショ糖・麦芽糖等の甘味成分に変化するため最適な貯蔵条件は13~15℃、湿度90%位とされていることから、これと同程度の温湿度で貯蔵する必要があります。一般的な貯蔵方法は昔から行われている深穴貯蔵や専用のサツマイモ貯蔵庫の利用になりますが、ハウスと稲わら等の断熱性資材を組み合わせて利用する半地下方式の簡易貯蔵が実用性が高く、相当量の芋を春先まで貯蔵することができます。なお、貯蔵性が劣る「ベニアズマ」や食味(食感)の変化が大きい「べにはるか」などの品種を長期貯蔵する場合には、品種特性を考慮して貯蔵方法や期間を選択してください。
サトイモの簡易な圃場貯蔵の作業
1うね毎に芋を掘った後の土で20cm程度土寄せを行い、
使用済みフィルムを被覆して雨よけする
広報誌「さいたま」2024年10月 No.295より
令和6年産の小麦では、熊谷のアメダスデータから推定された赤かび病子のう胞子飛散好適日の積算日数が4月の1か月間に16日と過去10年間で最も多く、更に5月中の降雨の影響で赤かび病の発生と急速な蔓延がみられました。小麦収穫以降も、高温や突風、豪雨などの異常気象が続き、今後の気象もどう推移するか読めない状況です。基本技術を励行し、気象災害に強く、収量品質の良い小麦栽培を心がけましょう。
想定外の雨にも負けない「排水対策」
排水不良による湿害は、発芽不良など収量・品質低下の大きな要因です。は種前には弾丸暗渠で雨水の地下浸透を促すとともに、は種後はほ場の外周やほ場内に5~10m間隔で溝を掘り、ほ場表面の排水を図ります。この際、溝をほ場外の排水溝に接続しないと、単なる水たまりになってしまうので注意しましょう。
乾燥対策のカギは「砕土率」
砕土率が高い(土が細かい)と、土壌水分が均一となり出芽率が向上します。トラクタの作業速度を低速にする、逆転ロータリを使う等の方法があります。
粘土質土壌では水分が多いときに作業すると、土を固めてしまうため、乾いてから作業します。
良い麦づくりは苗立ち確保から「適期には種・適量をは種」
種子は必ず更新して、種子消毒を行いましょう。
「さとのそら」のは種適期は11月10日~25日です。早まきは過繁茂につながります。は種量はドリルまきで6~8kg/10aを基準にし、天候不順等によりは種作業が遅れた場合は、は種量をやや多めにして、苗立ち数を確保します。
収量・品質の確保に向けて
「さとのそら」は、後まさり型なので追肥をしっかりと施します。基肥は窒素成分で6~8kg/10a(例:化成肥料(14-14-14)なら45~60kg/10a程度)、追肥は窒素成分で3~4kg/10aを基準にします。追肥時期は茎立ち直前の3月上旬が目安です。一発肥料を用いる場合、窒素成分で10~13kg/10aを基準にします。なお、地力にあわせて施肥量は調整してください。
暖冬でも軟弱にならないように
凍霜害や過繁茂を防ぐ重要な作業です。本葉が3枚以上展開したら、年内に1回、追肥までに2回を目標に行いましょう。トラクタの速度を落としてしっかりと鎮圧しましょう。
暖冬で生育過剰の場合は、茎立ちまでの期間に追加の作業を検討しましょう。軟弱に育てると、春先の急な寒さの影響を受けやすくなります。
適期作業で草を抑えましょう
は種後の土壌処理剤散布を基本に適期に散布します。散布前に土壌鎮圧を行うと、除草剤の効果を安定させることができます。ヤエムグラやカラスノエンドウなどの広葉雑草が発生している場合は茎葉処理剤を使用します。
なお、前作時にカラスムギが多発したほ場では、可能な範囲では種を遅らせ、それまでに発芽したカラスムギを非選択性の除草剤により枯らします。場合によっては休耕し、耕うんや非選択性除草剤でカラスムギの密度を減らすなどの対策も検討しましょう。
広報誌「さいたま」2024年9月 No.294より
なしでは、様々な果肉障害の発生が確認されています。収穫をしながら、改めて自身の圃場における発生の有無や傾向を確認し、今後に向けた対策を検討してみましょう。
5月の高温や、7月の低温・低日照で発生が助長されます。埼玉県農業技術研究センターでは、5月と7月の気温から、毎年みつ症の発生リスクを予測しています(今年産「豊水」のみつ症発生リスクは低いと判定されました)。
対策のポイント:定期的なカルシウム資材の葉面散布や、梅雨明け後のかん水を行います。収穫初期には特に、みつ症発生果が多く見られるため、注意して選果を行います。収穫中には果肉の状態を確認し、取り遅れのないように気を付けます。
水浸状障害は「あきづき」で、コルク状障害は「あきづき」や「王秋」で発生します。コルク状障害は、夏期の高温乾燥で助長されます。
対策のポイント:摘果を早めに行い、果実の細胞数を充実させます。徒長枝が乱立しないよう、新梢をこまめに管理します。定期的なカルシウム資材の葉面散布も効果的です。夏期に乾燥が続く場合、かん水を行います。土壌中の塩基バランスを整えることも重要です。土壌診断を行い、Ca/Mg(石灰苦土比)やMg/K(苦土カリ比)を確認してみましょう。これらのバランスが崩れると、障害が出やすくなります。
※農研機構HP で、『ニホンナシ「あきづき」および「王秋」の果肉障害対策マニュアル』が公開されており、詳しい内容が確認できます。
収穫前(8~9月頃)の高温で発生が助長されます。近年発生が増えてきており、昨年は夏期に高温が続いたことで、多くの産地でみつ症が発生しました。
対策のポイント:果実に直射日光が当たらないよう、園を木漏れ日のさす程度に管理します。定期的なカルシウム資材の葉面散布や、高温乾燥時のかん水を行います。収穫時には、取り遅れに注意します。
※今後も夏期の高温によるみつ症の多発が予想されることから、品種更新も検討しましょう。「甘太」は、9月中下旬~10月上旬頃に収穫ができ、これまでにみつ症の発生は認められていません。糖度が高く食味も良好ですので、「新高」の代替品種として期待できます。
広報誌「さいたま」2024年8月 No.293より
埼玉県さいたま農林振興センター農業支援部から、来年度農業大学校の学生募集についてお知らせいたします。
埼玉県農業大学校は、農業及び農業関連産業の担い手養成を目的に、農業の生産から販売まで一貫して基礎から学ぶことができる実習を主体とする専修学校です。
将来の農業の担い手を目指す仲間たちとともに、農業の基礎知識と基本的な栽培技術を身につけて、農業分野での活躍に向けた一歩を踏み出しませんか。
課程 | 学科名 | 定員 | |
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2年課程 | 野菜 | 30名 | 90名 |
水田複合 | 5名 | ||
花植木 | 15名 | ||
酪農 | 5名 | ||
1年課程 | 短期農業 | 35名 |
入学願書など出願に必要な書類は埼玉県農業大学校ホームページからもダウンロードできます。
詳細は大学校ホームページでご確認ください。
入試区分 | 出願期間 | 試験日 | |
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推薦入試 | 令和6.10.1(火)〜10.10(木) | 令和6.10.29(火) | |
一般入試 | 2年課程 | 令和6.11.1(金)~11.10(日) | 令和6.11.28(木) |
1年課程 | 令和6.12.10(火)~12.20(金) | 令和7.1.9(木) |
※ 一般入試で定員が満たされない専攻については、追加募集を行う場合があります。
大学校ホームページでご確認いただくか、大学校へお問い合わせください。
※ 高等学校を既卒の方が農林振興センター所長からの推薦を希望する場合は、令和6年9月 中旬に面接を行います。早めに農林振興センターまでご相談ください。
広報誌「さいたま」2024年7月 No.292より
埼玉県では昨年の6月~9月の高温・干ばつによって水稲や大豆に経済的被害を受けたため特別災害の指定を受けました。当JA管内では7月~9月中の最高気温は平年に比べ2~3℃高く、7月~8月の降水量は平年を大きく下回った結果、作付の多いサトイモやネギなどの秋冬どり野菜では生育不良や品質低下を招きました。気象庁の3カ月予報によると本年の夏期の気温は平年に比べ高くなると予報されています。そのため、野菜や花など園芸作物の栽培が本格化する前に昨年までの管理を見直して最善の対策を講じましょう。
①播種時期を遅らせる:直播栽培するニンジンやダイコン等、発芽と根部生育に高温の影響を受けやすい野菜では、これまでの播種時期を1~2週間程度遅らせて高温に遭遇する機会を減らしましょう。その際、品種ごとの播種適期を考慮してください。
②遮光・遮熱資材等を活用する:播種直後に高温の影響を受けやすいニンジンやダイコン等では地温上昇を抑える白色タイプの遮光ネット(遮光率40~50%)を播種直後から本葉展開始め頃まで被覆することで発芽揃いを高めることができます。小規模の場合、白寒冷紗や稲わら等で地表を被覆するだけでも同様の効果が期待できます。また、ダイコン等では雑草抑制効果の高い黒色マルチフィルムに代わって白黒ダブルマルチを使用すると生育障害を軽減し品質を高めることができます。なお、近年ブロッコリーやキャベツ等で利用の多いセルトレイで育苗する場合、表側が白色に加工された白黒タイプを利用し白色の覆土材(シリカリュウ等)を組み合わせるとガッチリした硬い苗を育成できます。
③風通しの良い育苗環境:育苗箱や育苗鉢は、苗床に直置きすることは避け、ベンチやコンテナの上に置いて地温上昇等を防ぐことで、徒長した生育と病害虫の発生を抑えて健苗を育成しましょう。
①計画的なうね間灌水による管理:肥大中のサトイモ、ナスやエダマメ、葉根菜類等では継続的な水分補給を欠かすことができません。水田転換畑など用水や井戸水を利用できる圃場では積極的に活用しましょう。少雨の時にはうね間灌水が最も省力的に取組みやすい灌水方法です。
②灌水効果を高めるタイミングと方法:灌水のタイミングは、空梅雨や10日以上晴天が続き、土壌表面が乾燥したりナスでは果実の光沢が無くなるなどの兆候が見られたら開始しましょう。灌水間隔を5日前後とした間断灌水が効果的で、灌水時間は地温低下の効果が得られやすい夕刻から翌朝まで行うのが良く、病害が発生しないよう灌水後にはうね間には水を溜めないようにしてください。
地球温暖化に伴う夏期の高温対策として、施設栽培の花きや野菜において夜間のヒートポンプ冷房が使われ、その必要性が高まっています。農業用ハウスの冷房に使用している地中熱ヒートポンプは、主にクローズドループ式とオープンループ式の2つのタイプに分けられ、現状のシステムは前者が主流となっています。
最近、農研機構が開発したオープンループ型直接膨張式ヒートポンプは、既存の空気熱源ヒートポンプの熱交換器部分の冷媒経路を改良したもので、井戸からくみ上げた地下水を熱源としているため低コストで冷房効率を高めることができます。
図 農研機構が開発したオープンループ型直接膨張式ヒートポンプ
広報誌「さいたま」2024年6月 No.291より
中国産のなし、りんご花粉を昨年度使用した皆様
もしも火傷病と疑われる症状が見られた場合はすぐにご連絡ください!
中国で火傷病が発生したため、輸入花粉を通じての侵入・まん延を警戒しています。
詳細は以下のURLを参照
参照先:農産物安全課ホームページ
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0907/nb/yakedo.html
さいたま農林振興センター 管理部 地域支援担当
篠川、山田、西山 048-822-2492
→幼果の腐敗
(提供:Syngenta United States)
→幼果のミイラ果症状
(提供:三井物産(株))
広報誌「さいたま」2024年6月 No.291より
令和5年は7~9月が観測史上1位となる記録的な高温となりました。最も大きな特徴は、例年は高温であっても一時的に気温が低下する期間があったのに対し、令和5年は7~9月まで連続して高温が継続したことです。このため早期から普通期栽培までほとんどの作型で白未熟粒が多発しました。また、白未熟粒が発生した水稲の中には、穂肥施用時期より早くに、葉色が著しく低下したものが多くみられました。
白未熟粒の発生を抑える方法の一つに穂肥施用時期の葉色を葉色版で4~4.5に維持することがあります。そのためには葉色診断に基づいた穂肥前の追肥が有効ですが、作付け品種によっては「彩のきずな」のように生育期間が短く追肥を行うのが難しいものもあります。このような場合、元肥一発肥料が有効になります。品種、作型に合った元肥一発肥料を用いることで、持続的に肥効を維持し、急激な葉色低下を軽減することができます。
ただし、元肥一発肥料を用いても、令和5年のように高温が連続した場合には葉色が低下することがあります。そのような時は葉色診断を行い適切な量の穂肥を施用しましょう。
広報誌「さいたま」2024年5月 No.290より
JAさいたまでは組合員の皆様の所得と農業生産の拡大を実現するために環境負荷に配慮した農業生産への取り組みを進めています。しかしながら近年、気象変動とそれに伴う病害虫の発生が頻発して大きな障害となっています。農薬はこれらの障害を解消する有効な農業資材ですが、農薬使用には農産物における残留や飛散による危被害事故などのリスクを伴います。そのため、農薬を安全に使用するための方法について一層理解を深めることが大切です。そこで、安全性に配慮した農薬の効果的な使用方法を紹介します。
近年起きている農薬による事故・被害の発生状況を踏まえると、発生防止を図るために安全に農薬を使用する際には次の事項を重点的に考慮する必要があると思われます。
温暖となるこれからの季節、病害虫が増加するため農薬によって防除する機会が増えます。その一方害虫では抵抗性の発達によって効果が低下することが問題となります。夏野菜や果樹等に発生するハダニ類はその代表的な害虫の一つで、作用性の異なる農薬を選択してローテーション防除することが非常に大切です。近年はハダニ類の防除には「気門封鎖剤」(表1)と言う昆虫やダニ類の気門(呼吸を行うための器官)を物理的に塞いで窒息死させる農薬が活用されるようになり、薬剤抵抗性が発達したハダニ類やコナジラミ類等の害虫への有効性が認められています。主成分が食品添加物等のため安全性が高く、適用作物の種類も多い農薬です。使用効果を高めるポイントは、薬液が直接付着しないと効果が無いので、むらなく薬液がかかるように葉の表裏に丁寧に散布し、残効が短いため5~7日間隔で連続散布することです。
薬剤名 | 有効成分 | 適用作物※ | 適用病害虫(△:効果の低い事例あり) | 備考 | |||
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ハダニ類 | アブラムシ類 | コナジラミ類 | うどんこ類 | ||||
粘着くん液剤 | ヒドロキシプロピルデンプン | 野菜類、かんきつ、りんご、もも、かんしょ、らっかせい、花き、観葉植物、茶 | ◯ | ◯ | △ | △ | 容器を良く振ってから使用 |
エコピタ液剤 | 還元澱粉糖化物 | 野菜類、果樹類、いも類、とうもろこし、花き、観葉植物、ごま | ◯ | ◯ | ◯ | △ | 高湿度時の使用は避ける |
アカリタッチ乳剤 | ヒドロキシプロピルデンプン | 野菜類、果樹類、いも類 | ◯ | ◯ | 高濃度での散布は避ける | ||
ムシラップ | プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル | 野菜類、果樹類、花き、観葉植物 | ◯ | ◯ | ◯ | △ | 展着剤は可用しない |
フーモン | ポリグリセリン脂肪酸エステル | 野菜類、かんきつ、きく | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 展着剤としての登録あり |
サフオイル乳剤 | 調合油 | 野菜類、かんきつ、とうもろこし、花き、観葉植物 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 殺卵活性(ふ化阻害効果)あり |
※ 薬剤によっては適用作物の種類ごとに使用方法が異なるものがあるので、農薬のラベルを必ず確認してください。
※※ いずれの薬剤は夏季高温時や作物によって薬害を生じることがあるので「使用上の注意事項」をよく読んで使用してください。
広報誌「さいたま」2024年4月 No.289より
春から農作業が本格化します。農作業事故が起きないよう安全対策に努めましょう!
令和4年の1年間で報告された農作業事故は21件、うち3件が死亡事故でした(図1)。
内容別では「つまずき・転倒」、「機械への巻き込まれ」が5件で最多となっています(表1)。
年代別では60代以上が全体の70%を占める一方で、40歳未満の若手でも事故は発生しています(図2)。
発生数では春秋の農繁期及び夏に多く発生しており、夏は熱中症事故が発生しています(図3)。