JAさいたま広報誌2014.4 No.169より
板木技術士事務所●板木利隆
茎の下部がカブのように球形に膨らむコールラビ、別名を球形カンラン(甘藍=キャベツ)といいます。地中海沿岸地方が原産で、葉はカリフラワーに似ていますが、葉キャベツから分化したもので、キャベツの原始系ともいわれます。
日本に導入されたのは明治初期ですが、あまり知られていなかったのは食べ方が分からず、和食にはあまり合わなかったためのようです。
ブロッコリーの茎に似た癖のないこくのある味で、歯応えが良く、甘味もあります。皮をむいて薄切りにし、サラダやあえ物、ぬか、塩漬けに。また炒め物やクリーム煮にしたり、油揚げなどと合わせて煮物にしたりと、今風にいろいろアレンジしてみるとよいでしょう。ビタミンCはカブの3~4倍、カリウムも豊富で、免疫力を高め美肌や高血圧予防にも効果があるといわれています。
緑色種と紅色種があるので、彩りもよく、両品種とも鉢植えにすると、面白い形や色が楽しめます。
コールラビは冷涼な気候を好み、生育適温は15~20度で、キャベツよりも高温や低温に耐える力があるので、栽培しやすい野菜といえます。
種まきの適期(関東中~南部以西の平たん地の場合)は6月中旬から8月初旬ぐらいまでの夏まきと、9月上旬から10月上旬にかけての秋まきです。
畑は前もって石灰と堆肥を全面に耕入しておき、種まきの1~2週間前に、条まきの場合は条間50cm、くわ幅の溝に、元肥として覆土し、まき溝を作り、種子を2~3cm間隔にまき付けます。
ベッドまきは幅20cmの床を作り、同じ肥料を全面に耕し込み、板切れなどで横方向に15cm間隔の小溝を付け、2cm間隔にまき付けます。育つにつれて逐次間引き、最終的に株間を16~18cmにします。
生育の途中、化成肥料を2~3回追肥、中耕し、茎の肥大を促します。
球が4~5cm径に肥大したころ、図のように球の株から横にかけて伸びている葉の葉柄を、2~3cm残して切り取り、球の肥大を促します。
収穫は球径が7~8cmに肥大したころから逐次行います。
収穫物は新聞紙に包んで冷暗所に置けば5日ぐらいは十分持ちます。
球の下部、根元付近は堅くて食べられないので、1~1.5cmは切り除いて利用してください。