JAさいたま広報誌 2013.12 No.165より
板木技術士事務所●板木利隆
一年の計は元旦にあり。とかくマンネリになりやすい自家菜園の野菜作りを活性化するために、今年お薦めしたい野菜の種類や品種、育て方などについて考えてみましょう(私の実践例から)。
一番育てやすくて冬から春まで長期に取れるのはナバナです。改良品種の「花飾り」などは耐寒性が強く花ぞろいも良いです。ジャガイモは小粒ながら黄金色で味の良い「インカのめざめ」「ひとみ」「ルージュ」の3兄弟で話題性も十分です。ピーマンは苦味や臭みがなく、キュートな小形で子どもにも向く新種「ピー太郎」、赤・黄・だいだい色をそろえ、平形の「フルーツパプリカ(3種セット)」などで、新しい魅力が加わりました。大玉トマトを立派に育て上げるのは大変難しいですが、耐病性で作りやすくなった「ホーム桃太郎EX」「麗容」などが味も優れており、お薦めです。
育てやすくてよく取れるつるありインゲンはぜひ取り組んでください。品種は往年から味に定評のある「ケンタッキーワンダー」系です。しっかり支柱を立て、最初遅れずに誘引し、半月ごとの追肥をするだけで朝夕2回、2カ月ぐらい収穫し続けられ、新鮮で格別な味を楽しむことができます。
夏の青物としては強健で、連作にも耐え、作りやすい小松菜が不可欠です。身近なミニ菜園なら、株を抜き取るのではなく、下の方の葉から1~2枚ずつ、葉をかき取れば、長い間収穫が楽しめます。
「きよすみ」は強健、美味(びみ)、昨年は6月まきで実に8カ月間も取れ続け、最後はとう立ちしたものをナバナ様に食べさえもしました。
小カブは色白で色つや良く、肉質が緻密で味の良い「たかね」、大きくなってもす入りしなく、味の良い強健な「耐病ひかり」、上が紫色、下が白色でサラダや酢漬けに好適な「あやめ雪」などがお薦めです。ニンジンは芯までオレンジ色になり、甘さと風味に優れ、煮物やサラダにして彩りの良い「ベターリッチ」が魅力的です。根の肥大が土中への吸い込み性であるので、首の色が青変しないのも特長です。
ネギは味を重視した品種選びをし、自家菜園ならではの食味を楽しみたいものです。「九条太」を筆頭とし、「下仁田」「松本一本太」など全国的に在来系の良食味品種があり、地域性が濃いので、それを考えて選ぶことが大切です。「あじぱわー」(全農育成)は、下仁田と他種の交雑系で、その味が直売用として評価されつつあります。