広報誌「さいたま」2020年2月 No.239号より
園芸研究家●成松次郎
グリーンアスパラガスには、疲労回復を早めるアスパラギン酸と高血圧を予防するルチンを多く含みます。早春に苗を植え付けて翌年から収穫できます。
[栽培時期]永年性なので、一度植えると7〜8年同じ畑で栽培できます。一般には、2〜3月に園芸店で苗を求めます(図1)。1年目は収穫しないで、根株を十分養成して翌年から収穫を始めます。種から育てるときは3〜4月にまき、1年間株を育成し、早春に苗を植え付けて翌年から収穫します。
[品種] 太い若茎がたくさん取れる「シャワー」(タキイ種苗)、「ウェルカム」(サカタのタネ)など。
[植え付け]畑に1平方m当たり苦土石灰200gをまき、よく耕しておきます。次に、畝幅120cm、深さ30cm、幅30cm程度の溝を掘り、この溝1m当たり堆肥2kgと化成肥料(N:P:K=10:10:10%)100gを与えます。苗は株間40cmに植え付けます(図2・3・4)。
[管理]茎葉が繁茂すると倒れやすくなるため、株の両側にひもを張ります。追肥は、生育の盛んな6月と芽の動く前の2〜3月に、畝の肩にそれぞれ畝1m当たり化成肥料50gを与えます。
[病害虫の防除]梅雨期と秋雨期の茎枯病が大敵で、茎と枝に紡すい形の病斑を生じ、進行すると茎が枯れ込んでしまいます。「Zボルドー」や「ダコニール1000」などで防除します。また、地上部が枯れる晩秋に、茎を地際から刈り取り、焼却して予防します。
[収穫]茎が伸びてきたら、先端が開く前に草丈30cm程度で地際から切り取ります。早春の1カ月間初物を楽しみ、その後一時収穫を中断し、1株に数本の茎を成長させます(立茎栽培という)。この数本の茎に働いてもらい、夏から秋まで次々に出る若茎を順次収穫します。
[種から育てる場合]3〜4月に土作りを済ませた育苗床に20cm間隔に溝をつけて、株間15cm、1カ所2〜3粒の種をまきます。草丈10cm程度のときに間引きし、1本立てにします。苗の養成中に2〜3回、化成肥料を1平方m当たり50g程度を追肥します。数が少ない場合は、ポットにまいて苗を育成しても良いでしょう。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。