広報誌「さいたま」2021年2月 No.251より
園芸研究家●成松次郎
休眠の明けた芽は5度程度で活動が始まるため、早植えして発芽した芽は遅霜の被害を受けます。生育適温は10〜23度で、冷涼な気候を好みます。
[品種]
ホクホクした粉質の「男爵薯」「キタアカリ」や、アンデスの栗ジャガと呼ばれる「インカのめざめ」、ねっとりした粘質の「メークイン」「レッドムーン」など料理に向いた品種を選びましょう。秋作を行うには「デジマ」「ニシユタカ」など休眠の浅い品種を使います。
[畑の準備]
植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰50gを施しよく耕し、1週間前に、畝間60〜70cm、深さ15cmの溝を掘り、畝1m当たり普通化成肥料100gと堆肥1kg程度を施し、土を戻してよく混ぜておきます(図1)。
[植え付け]
種イモの大きさは1個30gくらいが良く、大きいイモは各片に頂部に芽が付くように3〜4片に縦切りします(図2)。切り口は、日陰で短時間乾かしておきます。元肥の上に少し土を戻し、種イモの切り口を下にして、株間30cmに植え付け、7〜8cmの覆土をします。マルチ栽培をすると雑草を防ぎ、地温が上がるため収穫期が1週間程度早まります。この場合、種イモを植え付け後、黒色ポリフィルムを張り、芽先がフィルムを持ち上げたら、フィルムを破り上に出します。なお、発芽後の遅霜被害対策として、不織布のべた掛けがお勧めです。
[芽かき]
芽が10cmくらいに伸びた頃、強い芽を2本残して他はかき取ります(図3)。
[追肥・土寄せ]
芽が15〜20cmの頃、畝1m当たり普通化成肥料50gを畝の両側にまき、5cm程度の厚さに土寄せをします。2回目の土寄せは同じようにつぼみが付いた頃に行います。土寄せは十分し、イモの露出を防ぎます(図4)。マルチ栽培ではマルチの裾を上げて追肥をします。
[収穫]
開花後2〜3週間で新ジャガを楽しめますが、葉が枯れ始めてから掘り取れば充実したイモになります。晴天が続いた日にイモを傷付けないように掘り取ります(図5)。イモは光で緑化するため冷暗所で保存します。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。