広報誌「さいたま」2021年11月 No.260より
園芸研究家●成松次郎
サル、シカ、イノシシをはじめ、都市近郊の菜園でも、アライグマやハクビシンの被害が増えています。また、カラス、ハト、ヒヨドリなどの鳥害も日常的に起きています。
[防鳥ネットとテグス]
網目が小さいほど防鳥効果が高く、ヒヨドリでは30mm以下、カラスでは75mm以下を用います。被害を受けやすい野菜にはトンネル状や浮き掛け状に覆うのが効果的です。また、防虫用のネット資材(寒冷紗〈しゃ〉など)を流用するのも有効です。
カラスは翼が障害物に触れるのを嫌うためテグスを縦横に張り巡らします。カラスの翼長(両方の翼を開いたときの長さ)は1m程度になるので、これより狭く張ります。
[べた掛けで種を守る]
豆類などの大きい種はカラスやハトの格好の餌になり、種まき後、本葉が出るまでが被害に遭いやすいので注意が必要です。べた掛け資材は本来の発芽促進、虫害の予防などに加えて防鳥効果も期待できます。
[ネットや柵で目隠しをする]
イノシシには餌になる野菜が見えないようにトタンなどの柵で菜園を目隠しします。高さ1m程度の柵では簡単に跳び越えてしまいますが、柵の前にネットなど足に絡む物を配置して、踏み切り位置を遠くすると良いでしょう。
[電気柵の利用]
電気柵には高電圧の電気が流れ、これに触れた獣類はショックを受けて退散します。ハクビシンは小型のため、電線の下をくぐり抜けないよう、できるだけ低く張ります。電気柵の漏電を防ぐために、除草するなど定期的な管理が大切です。