広報誌「さいたま」2023年7月 No.280
園芸研究家●成松次郎
赤キャベツに似ていますが、レタスの仲間で結球レタスを小ぶりにした形です。特有の苦みと鮮やかな赤紫で、サラダに彩りを添えます。
発芽と成長の適温は15~20度なので、夏と冬の生育は困難です。中間地では、種まき適期は8月で、収穫期は11、12月です。
[品種]
「ヴェネチア」(トキタ種苗)、「イノセント」(タキイ種苗)などがあります。
[苗作り]
小型ポットかセルトレーに1穴当たりに4、5粒ずつ種をまき、種まき後は新聞紙をかけ、強い日差しを避けるようにします(図1)。暑い時期で蒸散が盛んなため、たっぷり灌水(かんすい)します。本葉2枚までに1本になるように間引きます。本葉3、4枚までしっかりした苗を作ります。育苗中は、日よけのトンネルやよしずをかけて強い日差しを避けます。
[畑の準備]
畑1平方m当たり苦土石灰100gをまき、土とよく混ぜておきます。次に、植え付け1週間前に、幅90cm程度の栽培床(ベッド)に、元肥として化成肥料(NPK各成分10%)200g程度と堆肥2、3kgを施します(図2)。
[植え付け]
栽培床を平らにし、水分保持と雑草を抑えるためマルチフィルムを張ります(図3)。条間30cmでは3条、条間40cmでは2条とし、株間30cmに植え付けます(図4)。
[追肥]
1回目は植え付けの2、3週間後、2回目は球が巻き始めた頃に、それぞれ1平方m当たり30g程度の化成肥料を施し、株元に土を寄せておきます。マルチ栽培では1回目はマルチ穴に、2回目は栽培床の両側に施し、土を寄せておきます。
[病害虫の防除]
高温期にアブラムシなどが発生しますが、比較的病害虫は少ない野菜です。発生の多いときはモスピラン顆粒水溶剤を用います。
[収穫]
秋が深まり寒くなると、赤色が鮮やかになってきます。頭部を押さえて球が固く巻いてきたら、株元に包丁を入れて切り取ります。再度、包丁を入れて下葉を落として結球部を調製します(図5)。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。