JAさいたま広報誌2014.12 No.177より
ミカンやユズなどと同じかんきつ類の中で、一番実が小さい品種が「キンカン」。かんきつ類の酸味に、ほんのりとした甘味と苦味が特徴。冬から早春にかけて旬を迎え、九州地方などの温暖な気候の地域で主に栽培されています。
実は小ぶりですが、皮まで丸ごと食べられるため、栄養をたっぷり取ることができます。美肌効果やストレスなどにも良いビタミンC、血圧やコレステロールを下げ、便秘解消にも良いとされる食物繊維などが豊富に含まれています。他にも果物の中では珍しく、カルシウムが非常に多く含まれ、その量はキンカン5個でイワシ1匹分以上の含有量に相当。また、昔より喉や風邪に良いといわれ、免疫力を高める働きのある成分も含まれています。
選ぶ際は皮の色が濃く、つやつやしていて傷のない物を。キンカンは、皮のオレンジ色と丸い形が料理を華やかにしてくれます。生のまま薄くスライスしてサラダや酢の物などのあえ物に入れても、キンカンのほのかな苦味と甘味が料理のアクセントに。
定番の甘露煮は、一度下ゆでしてから、キンカンの重量の40~50%の量の砂糖で煮ます。そのままお茶請けや、風邪気味のときには煮汁をお湯などで薄めて飲むとよいでしょう。
キンカン……………………………5個(70g)
カブ…………………………………2個(200g)
塩…………………………………小さじ1/4
刻み昆布(乾燥)…………………3g
A
砂糖……………………………大さじ1/2
酢………………………………大さじ2
(1) キンカンは3~4mm厚さの輪切りにします。大きな種は取り除きます。
(2) カブは皮をむき、2~3mm厚さの半月切りにします。塩をまぶし、5~10分置いて、水気を絞ります。
(3) 刻み昆布はさっと洗い、水気を切ります。水大さじ1(材料外)に漬けて、しんなりさせます。Aを加えて混ぜます。
(4) (3)にキンカン、カブを加えて混ぜ、味をなじませます。
撮影:大井一範