JAさいたま広報誌2014.11 No.176より
晩秋から冬にかけて出回る「ユリ根」。ヤマユリ、オニユリ、コオニユリなどの食用種のユリの球根で、鱗片(りんぺん)と呼ばれる花びらのような物が何枚も重なった形が特徴です。
主な産地は北海道ですが、実は関西での消費が多い野菜。ホクホクとした食感、独特の甘味はユリ根ならでは。
主な成分はでんぷんで、血圧を下げる働きのあるカリウムや、整腸作用のある食物繊維も豊富に含みます。
花のような形を生かして丸ごと煮る料理もありますが、鱗片を1枚ずつ剥がして使います。剥がす際は根元に包丁で切り込みを入れ、1枚ずつ丁寧に。黒ずんだ部分は削り取りましょう。鱗片をばらした「かきゆり根」は真空パックなどで売られ、手軽に使うことができます。
保存は丸ごと、おがくずが付いたままポリ袋に入れて冷暗所で2~3週間持ちます。鱗片をばらした物は、傷みやすいので早めに使い切りましょう。使い切れない場合は、ゆでる・蒸すなど加熱してから冷凍保存することもできます。火を通し過ぎると煮崩れるのでゆで過ぎないよう注意しましょう。
丸ごと含め煮にすると華やかなお正月の一品へ。ほっくりとした食感を生かして、あえ物や吸い物、炒め物、茶わん蒸しの具の他にも、きんとんや天ぷらにするのもお薦めです。
ユリ根……………………………2個(200g)
ミツバ…………………………20g
梅干し…………………………中2個(20g)
A
だし……………………………大さじ1
砂糖……………………………小さじ1/3
酒……………………………小さじ1/2
(1) ユリ根は、根元に包丁で切り込みを入れ、1枚ずつ剥がします。2~3分ゆで、ざるに取って冷まします。
(2) ミツバはゆで、2cm長さに切ります。
(3) 梅干しは種を取り、梅肉を刻んでAと合わせます。ユリ根、ミツバをあえます。
撮影:大井一範