JAさいたま広報誌2014.1 No.166より
ダイコンは一年中出回っていますが、寒い時期に甘味が増しておいしくなります。日本では、春の七草の一つ「スズシロ」として古くから、親しまれています。
現在は肉質が柔らかく、甘味が強い青首ダイコンが主流ですが、京都の伝統野菜の聖護院(しょうごいん)ダイコン、水分が多く大型の三浦ダイコン、薬味に使われる辛味ダイコンなど、独自の品種があります。シャキシャキとした食感を生かし、生のままサラダやあえ物、大根おろしとして食べたり、加熱すると甘味が増し、だしのうま味を閉じ込めるので、ぶり大根、おでんなどの煮物や煮込み料理、スープにしたりと、いろいろな料理でおいしくいただけます。
葉の付け根の部分は甘く、先端(しっぽ)ほど辛味が強くなるので、料理によって使い分けるのがポイント。生で食べるときは葉に近い部分、煮物など加熱する料理には真ん中の部分、先端はみそ汁などに使うとよいでしょう。
ダイコンに含まれる辛味成分は、がん予防に効果があるといわれ、ビタミンCも豊富です。その他、消化を助け、胃腸の働きを整えて食欲をアップさせるジアスターゼも含まれています。ジアスターゼは加熱すると壊れてしまうので、生のまま食べる方が効果的です。脂っぽいものを食べるときに大根おろしを添えると、消化も良く、さっぱりします。
選ぶときは、太くて重いもの、皮に張りがあるものが新鮮です。葉が付いているものは、そのまま置いておくと、葉から水分が失われスカスカになってしまうので、葉を切り分けて保存します。使いかけのものは、乾燥しないように切り口をラップで覆い、ポリ袋に入れて、野菜室へ。葉の部分はゆでて刻んで冷凍しておくと、みそ汁の青味や煮物の彩りにもなり、便利です。
ダイコン……………………………150g
牛もも肉(薄切り)………………60g
ネギ…………………………………1/2本
ショウガ……………………………1片(10g)
A
水……………………カップ2(400ml)
スープのもと…………………小さじ1
B
花しょう……………………………小さじ1/2
塩……………………………………小さじ1/6
酒……………………………………小さじ1
しょうゆ……………………………小さじ1
※花しょうは中華食材で、粒さんしょうのことです。
(1) ダイコンは5cm長さ、7~8mm角の拍子切りにします。
(2) 牛肉は1~1.5cm幅に切ります。
(3) ネギは斜め切り、ショウガは薄切りにします。
(4) 鍋にAとダイコンを入れて火に掛け、ふたをして2~3分煮ます。牛肉、ネギ、ショウガを加え、沸騰したら、あくを取ります。
(5) Bを加えて調味します。
撮影:大井一範