JAさいたま広報誌2013.02 No.155より
カブは、『日本書紀』に記録があるほど昔から栽培されている野菜で、地域ごとにさまざまな特有品種があり、今でも栽培されています。大きいものや小ぶりのもの、紡すい形や曲がった形のもの、葉を食べるタイプ、紅色のものなどさまざま。長野県の有名な特産物「野沢菜」もカブの一種で、主に葉を食べる品種です。
旬は春と秋の年に2回。一年中出回っていますが、旬のものは肉質がみっちりと詰まってみずみずしく風味も豊かです。生のシャキッとした食感を生かして、サラダやあえ物、漬物に、また火通りが早いので、煮物やスープの具などにしても味が染み込みやすく、生とは違う優しい食感が味わえます。皮は柔らかいのでむかずに使えますが、口当たりを良くしたい、きれいに仕上げたい場合にはむいて使います。煮物には、むくと味の染み込みは良くなりますが、皮付きだと歯応えが残るのでお好みで。皮の有無、種類や季節によっても火通りに差があるので、加熱時間は様子を見ながら調整しましょう。
栄養面では、カブは白い実の部分よりじつは葉の方に栄養があり、葉はカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄などを豊富に含む立派な緑黄色野菜です。買うときは、ぜひ葉付きのものを求めましょう。カブの実は白くつやがありよく締まっているもの、葉は青々として力強くピンとしているものを選びます。保存は、葉付きのままだとカブの実の水分や養分が葉に吸収されてしまうので、葉を切り落としてから冷蔵庫の野菜室で。葉は癖がなく、青菜として使えるので、ゆでてから小分けにして冷凍しておくと、ちょっとした彩りにもすぐに使えて便利です。
キンカン・・・5個
カブ・・・2個
塩・・・小さじ1/4
刻み昆布・・・3g
A
砂糖・・・大さじ1/2
酢・・・大さじ2
(1) キンカンは3~4mm厚さの輪切りにし、大きな種は取り除きます。
(2) カブは皮をむき、2~3mm厚さの半月切りにします。塩をまぶし、5~10分置いて水気を絞ります。
(3) 刻み昆布はさっと洗い、水大さじ1(材料外)に漬けて、しんなりさせます。Aを加えて混ぜます。
(4) (3)に、キンカン、カブを加えて混ぜ、味をなじませます。
撮影:大井一範