広報誌「さいたま」2020年3月 No.240号より
ナミハダニは、体長0.5mmと小さいですが、植物の葉に寄生して枯らしてしまう害虫です。特にハウスに侵入したナミハダニは、1月頃から気温が高くなるにつれて徐々に増え、3月にはかなりの数になります。そのため被害が深刻化するおそれがあり、注意が必要です。
ナミハダニが発生すると、次の様な症状が見られます。
効果的な防除には、早期発見が重要です。かん水時などに葉の様子を確認し、上記の症状が見られないか確認しましょう。
広報誌「さいたま」2020年2月 No.239号より
昨年、さといも疫病が県内で発生しました。さといも疫病は、感染力が強いことが特徴で、宮崎県、鹿児島県、千葉県などで発生し、収量が半減するなど大問題となっています。そのため、早期に発見し、耕種的防除と薬剤による適期防除を組合せにより蔓延を防ぐ必要があります。
広報誌「さいたま」2020年2月 No.239号より
農作業機を直接装着した農耕トラクタの公道走行については、灯光器類の装着、車両幅の確認、安定性の確認などの項目があります。また、農作業機を装着することにより、大型特殊免許(農耕機用に限るも含む)が必要になる場合があります。
(詳細は農林水産省等のホームページを参考にしてください。)
広報誌「さいたま」2020年1月 No.238号より
「露茜」は、現農研機構果樹茶業研究部門が育成した、ウメと近縁の赤肉のニホンスモモに、ウメを交雑して育成された種間雑種です。果皮・果肉が赤く、赤い梅酒・梅ジュース(糖抽出果汁)ができる品種です。一般的なウメと同様に生食には適さず、加工して利用します。
収穫期は、7月中旬で、果実は50~70gとウメとしては大きく、核(種)が小さいため、果肉割合が高いです。果皮はほぼ全面に赤く着色し、果肉も成熟に伴って赤色に着色し、梅酒や梅ジュース、梅ジャムに加工すると、きれいな赤色になります。
一般的にウメを利用してジャムを作る場合には、酸が多いために砂糖を大量に加える必要があります。「露茜」は一般的なウメと比較して酸含量が少ないため、加える砂糖を少なくすることが出来ます。一方、酸の少なさは保存性の悪さにもつながるため、梅ジュースを作る時には、酸の多いウメと合わせて加工する、酢を加える、低温で貯蔵するなどのカビよけ対策が必要です。
「露茜」を用いた梅干しは 、果肉が粗くざらつき、えぐみが残ることもあるなど、「南高」など一般的なウメのものと比べて品質が劣ります。
広報誌「さいたま」2019年12月 No.237号より
農作物を栽培するためには、「土づくり」が大切だとよく耳にしますが、何となくわかっていても、うまく説明できない人が多いのではないでしょうか。 「土づくり」とは、作物が必要とする養分や水分をバランス良く十分に供給できるような能力を高めて、土壌の作物生産能力を維持していくことです。具体的には次の3つの側面からみることができます。
広報誌「さいたま」2019年9月 No.234号より
野菜栽培では、直売向け・自家菜園向けとも品種の多様化や栽培技術の進歩により収穫時期が広まり、販売・利用期間が拡大されるようになりました。その一方で、これまであまり経験したことの少ない生育障害や病害虫にあって期待した収穫物が得られなかったとの話をよく聞くようになりました。そこで、秋冬作野菜で近年目立っている障害を中心にその軽減策をご紹介します。
根深ネギでは、前年の秋に播種して7月~8月に収穫する夏どり栽培では定植後にトウ立ち(抽台)してしまい目的とする時期に収穫できない事態となったり、タマネギでは6月の収穫時期を迎える間際にトウ立ちする株が多数発生してしまうことがあります。その原因の共通点は、播種後育苗期~生育初期が温暖で生育が進みすぎた株が低温に遭遇して花芽分化することです。ネギの場合では、葉鞘径(茎径)5~7mm以上の株が低温(3~15℃)に一定期間遭遇することで花芽が形成され、その後気温の上昇に伴ってトウ立ちが進むので、播種時期が早過ぎるとトウ立ちしやすくなります。
このトウ立ちを軽減するには、各作型と品種にあった時期に播種することが基本となります。ネギでは慣行苗(地床育苗)か幼苗(チェーンポット育苗)など栽培方法に応じて播種適期と定植適期が異なります。表1を参考に適期に播種するようにお願いします。タマネギでは、貯蔵性のある中生種や中晩生種ほどトウ立ちしやすいので、品種ごとの播種時期を厳守してください。また、花芽分化は低窒素条件で誘導されることもあるため、育苗中及び定植後の低温期に窒素切れを起さないように追肥や緩効性肥料の施用などの肥培管理にも留意しましょう。なお、ネギ・タマネギともりん酸肥料は育苗期・本ぽとも初期生育や活着促進などで増肥効果が高いため、冬期を経過するタマネギでは元肥には配合肥料のほかに過りん酸石灰を単肥として施用することをお奨めします。
ネギ・タマネギとも育苗期~生育初期にべと病、生育中期~後期には黒斑病や葉枯病などが発生しやすく、放置すると重症化して作柄に大きく影響します。その対策として、育苗期からダコニール1000やジマンダイセン水和剤などの殺菌剤を継続して予防散布することが大切です。
作目 |
区分 |
播種適期 |
育苗日数 |
主な適品種 |
夏どりネギ |
慣行苗 |
10月上旬~11月中旬 |
150日 |
夏扇4号 、夏扇パワー 、ホワイトスター、龍まさり、夏一心、越谷黒一本太 |
チェーンポット苗 |
12月上旬~1月上旬 |
70~80日 |
||
タマネギ |
極早生種・早生種 |
9月上旬~中旬 |
50~55日 |
ソニック、七宝早生7号、貴錦、濱の宝 |
中生種・中早生種 |
9月中旬~下旬 |
55~60日 |
アトン、ターボ、アドバンス、ヒーロー |
|
中晩生種・晩生種 |
9月下旬 |
55~60日 |
ネオアース、七宝もみじ3号、スワロー、ケルたま |
注)播種期は品種ごとに推奨されている適期があるので、確認の上播種してください。
作付機会の多いハクサイ・ダイコンなどアブラナ科野菜では、肥培管理のミスや気象変動などの影響によって、品質低下に直結する生育障害が目立っています。
ダイコン赤心症(ホウ素欠乏)
JAさいたま 営農経済部営農課